ついに深紅の大優勝旗が白河の関を越えた。

 

振っていたシャンパンのコルクが抜けると中身が噴き出すように、おそらくこれから頻繁に東北勢が優勝すると思う。ずっとダービーを勝てなかった福永祐一騎手が1度勝ったら、数年のうちに3度も制覇したように。

 

いずれにしろ、その最初が仙台育英で本当に良かった。

 

今となっては常に強豪の一角を担う東北勢だが、長らく続いた氷河期に孤軍奮闘していたのが仙台育英だし、追いつき追い越せで東北勢が強くなっていった経緯があるので、その敬意を表する上でも最高の結果と言える。

 

福島の聖光学院や青森の八戸学院光星、岩手の花巻東なんかは特に悔しさがあるだろうけど、たぶん納得と祝福をしてるんじゃないかな。

 

さて、決勝戦で特に印象に残ったのは岩崎選手の満塁ホームランだ。正確には打ったコース。

 

明らかなボール球で、見逃せば押し出しで点差が広がり、勝利に一歩近づく。

 

この場面、見逃す人の方が圧倒的に多いはず。僕も間違いなくそうする。冷静にというか安全に手堅く。

 

でも彼は振った。そして当たって、しかもホームラン。

 

まぐれではなく、おそらく高めのストレートが来たら振ると決めていたはず。外野フライでも1点取れたし。

 

でも、打ち損じたり空振りする可能性も十分にある。

 

つまり岩崎選手はリスクをとった。もしかしたら冷静じゃなかったかもしれない。

 

それを目の当たりにした時、痛感してしまった。僕は大物にはなれないと。そもそもなるつもりはない(昔はあった)けど、確信をしてしまった。

 

まず何よりあの場面であのコースを振れる勇気はない。

 

同時に思ったのは、ああいうチャンスの場面で冷静じゃなくなれるのは才能ということ。

 

大きな企業の経営者であったり、何かを成し遂げる人にはそれがあると思う。

 

もしあの場面で仮に下手こいたとしても別な意味で名は残るし、成功者って自然とそういうことができる人なんじゃないかと岩崎選手から教えてもらった。(冷静に振っていたとしたらもっと凄い!)

 

彼は最高の結果を残せたので運もあるし、僕がプロ野球チームのスカウト責任者だったら他に目立った記録がなくても、この1打席だけで指名したい。企業の社長なら是非採用したい。

 

きっと何かしらの形で大物になるはず。

 

兎に角、僕は自分の小ささを痛感と確信したので、これからは欲張ることなく淡々と生きていこうと思う。

 

なるべく小さな幸せとなるべく小さな不幸せを、なるべくいっぱい集めよう。

 

ではここで1曲お聴きください。栄冠は君に輝く!

 

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